Atelier Spike
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チューター
投稿日時:2010/04/08(木) 23:46
オリジナリティーについて考えた
投稿日時:2009/11/08(日) 05:47
象徴と消費 ー「鳥の巣」と「ワールドトレードセンター」と「在水一方」
投稿日時:2009/10/11(日) 16:59
猛威を振るった台風18号もさり、またいつもと変わらぬ日常が戻ってきました。今では、ニュースでその被害に関するレポがちらほらある感じでしょうか。地元茨城県では、土浦の台風による被害がまざまざと映し出されていて、とても人ごととは思えません。
そんな中、少し考えたことを書きたいと思います。
現在新潟市では、「日本海政令市にいがた 水と土の芸術祭2009」(*以降、水土)が開催されています。この芸術祭は、新潟市全域を舞台に、70以上の作品が展示されています。ディレクターは、大地の芸術祭でおなじみの北川フラムさんです。
そのなかのひとつに、台湾出身の芸術家・王文志さんの「Water Front 在水一方」という作品があります。信濃川の下流のやすらぎ堤に設置されていて、竹を編んで作られた高さ12mほどの鳥かごのような造形のこの作品、中に入ると竹の間から差し込む柔らかい光に包まれながら子宮の内部のような不思議な感覚を体験することができ、知名度と人気ともにダントツではないでしょうか。
新潟ローカルテレビでも、水土のCMに使われるなど、「水」と「土」という芸術祭のテーマをよく表している象徴的作品でもあります。しかし個人的には、象徴としてCMで繰り返し放映されることによって、芸術祭自体の消費ということを暗示しているように思いました。これは北京オリンピックにおける「鳥の巣」のように、世界経済に大きな影響を与える世界的規模のイベントの象徴として、様々なメディアで消費されていく様子を思い出さずに入られませんでした。
また、そんな「在水一方」ですが、先日の台風によって崩壊してしまったのです。その様子は台風の威力を物語る象徴として何度もテレビで放映されていました。これは、「ワールドトレードセンター」の崩壊の様子がリアルタイムで、または繰り返し放送されることでその衝撃をありありと伝える象徴として消費されていったことも思い出され、個人的にはこれからの芸術祭に暗い影を落としたように感じました。
そして今、思うこと。
投稿日時:2009/10/09(金) 01:09
ROUNDABOUT JOURNAL vol.8レビュー
投稿日時:2009/05/28(木) 16:01
先週水曜日にroundabout journalのブログを見て、ROUNDABOUT JOURNAL vol.8配布協力者の募集をしている事を知り、すぐさまメールを送った。すると次の日の木曜日には、僕の手元に送られてきた。そのスピード感は爽快である。以前からその存在は知ってはいたが、手にするのは初めてだ。地方で建築を学んでいる身としては、東京発の建築のムーブメントにリアルタイムで参加できているような気がして、気持ちの高揚を抑えきれなかったし、すぐさま大学内にて配布をして回った。
さて、前置きはこの程度にして本題のレビュー。
地方への議論の広がり、メディアヒエラルキーの裏側で
まずは、ざっと誌面全体に目を通して気になったのが、各コンテンツのはじめに日本地図(迫慶一郎氏のINTERVIEWは中国地図)とともに取材場所がプロットしてあったことだ。こうした出版物の場合、コンテンツの最後に取材場所と日付が書いてある事はよくあるが、なぜわざわざビジュアル化したのだろうかと疑問に思った。しかし全部読み終えた頃には、東京だけでなく地方においても刺激的な議論が行われたことの意味を強く感じている事が伝わってきた。それは、藤村龍至氏の「議論の場を求めているのはメディアがあふれ、チャンスにあふれた東京よりも、東京以外の地方の同世代の読者だということが分かった。そこで僕達は東京以外の同世代の建築家たちと議論を試み、新たな議論の流れを仕掛けることにした。」の言葉からもわかる。
「メディアを介してしか社会と関われない巨大都市・東京の建築家」という言葉からは、メディアヒエラルキーの新たな側面が見えたような気がする。それというのも、一般に書籍などのメディアによる情報発信は東京発地方着という状況を地方が嘆くことはあっても、それによって東京が不利になることは考えもしなかったからだ。TEAM ROUNDABOUTのメンバーには、東京を拠点として活動をするなかでの違和感があったからこそ、地方の議論の場への渇望に気付く事ができたのではないだろうか。私達の立ち上げた新潟学生建築サークル「Shin」も地方で活動をしていくからこそ、発信していくことの必要性を強く感じている。ただ一方的に情報を受け取る状況を嘆く、もしくは傍観するのではなく、主体的にその状況にコミットし環境を変えようとするTEAM ROUNDABOUTの姿勢は共感を禁じ得ないし、これからの展開を考えると期待に胸が躍る思いだ。
また、今までの一連の言説空間を生成しようとする活動の特徴的な例が、こうした地方での配布協力者募集とレビューへのリンクであろう。ブロゴスフィアによってその言説空間をより拡大しようとするのはもちろんだが、そこにあえて「地方から募集」としているのは、コンテンツのはじめの地図とも関連するが、言説空間の広がりを現実世界へプロットすることによってより直感的に感じれるようにしているのだと思う。
最後に、このような機会を与えてくださった藤村龍至氏をはじめTEAM ROUNDABOUTの皆さんに感謝の言葉を。ありがとうございました。
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